SNSを最初に始めたのはTwitter(https://twitter.com/muselection)だったのだけれど、Twitterのプロフィール表示によると、どうやら自分は2010年5月に登録したことになっている。ただ自分ではそんな時期に登録した気はさらさらなく、2012年の元日のU2『New Year's Day』からいきなり365日好きな曲をあげつらえるという無謀な企画をスタートしたのが最初だと思い込んでいた。
 誰に頼まれてもいないしもちろん仕事でもないのに、何せ時間と体力さえ許せばいくらでも文章を書けるのが一種の特技でもあるので、振り返ればこの世にブログというものが登場したときにも諸手を挙げて大歓迎し、すぐさま毎日のように書きまくっていたし、Twitterをある方に紹介していただいた際には、こんな便利で有効な表現ツールがこの世にあっていいのかと本当に心から感動したのを覚えている。

 ただ一介の文章家の立場で、文章力や語彙の新たな発見を試みる場として絶好の場所を見つけたといった点で、他のユーザーとはちょっとTwitterに向かう意義が異なっている節は見受けられるけれど、文字制限の中で文章を日々書き記していくという自分にとっては修行にも似た行為自体に快感すら覚える特異体質ゆえ、自分の身に何かが起きたり何か重大事件が発生したり誰かに多大な迷惑をかけない限り、今後も自分を表現する手段の一環として、時間と体力さえ許せば投稿を継続していきたいと考えている。

 そんな遅蒔きの自分なので、まだTwitter歴は浅いのだけれども、その短い歴史の中でも最も印象に残っているのが、「現存する日本最古のネオアコバンド」と誉れ高いb-flowerの八野英史さんからいただいた以下のコメントだ。


ほんとだ、
ネオアコースティックとネオアコの間に横たわる大河を見事に言葉にしている。


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●実際の画面 → https://twitter.com/hachino_hideshi/status/491025019602886656


 このコメントは本当にうれしかった。心の底からうれしかった。
 大好きな「ネオアコースティック」に真摯に向き合った結果、自分が伝えたかった真実/感触に共感いただける方がこの世に実在して、そして後にSNS上であれ巡り会うことができて、おまけにその方が高名なミュージシャンで、奏でている音楽ももちろん既聴で、さらに名前に自分の大好きな「八=蜂」「野」「英(国)史」を有していて、どう考えてもどう跳ね上がってもどう転んでも、運命的に出会ったようにしか思えなかった。

 先のコメントは自分が2013年の9月から10月にかけて全13回に渡って、それこそ誰に頼まれたわけでもなく粛々と書き上げた「ネオアコースティック」に関する長文ブログ『2013年 ≠ ネオアコ30周年』を、八野さんがのちにお読みになった際にいただいた感想のコメントだったのだが、まさに自分が36,000文字以上を費やして伝えたかった「ネオアコースティック」の核心へ至るまでの障壁を新鮮な角度から的確にガツンと一撃で表現してくださっていた。

「ネオアコースティックとネオアコの間に横たわる大河」

 そう、この両者の間には「大河」が横たわっている。
 そして「大河」の形成をあらゆる手段を駆使しても立証できないほどの時間が経過した今となっては、「大河」は向こう岸が全く見えなくなり、泳ぎが達者な者でも、エンジン付きの渡り船でも渡ることができない距離になっていて、ゼウスでもポセイドンでも埋めることが難しい巨大な大地溝帯にまでなりつつある。

 
 この「大河」を自力で泳いで渡ろうとして、あまりの巨大さと豪壮さと流れの激しさによって、過去にいくつもの命が失われ、少なからず「犠牲者」が出たこともある。
また、この「大河」について、様々な論議があり、様々な視点からの揶揄があり、喧々諤々罵詈雑言もそれこそTwitterを含むSNS上で度々激しく飛び交うことがあるのも事実だ。
 そういった机上でのやりとりが全くもって不毛だとまでは言えないにせよ、そもそも川ではなく「大河」であるという真意や、その「大河」の水分分析/水質調査から得た成果を、これから自分が記そうとしている論証記述によって共鳴いただける方が現れることは、それもまたSNS全盛時代の美点であり、余命いくばくもない自分が切に願うところでもある。

 「大河」の本質を事細かに表現できるのは、「大河」ができる瞬間に立ち会えた者だけだと確信しているし、
さらに立会いを許された者にはその成り立ちを口承伝承する責任や義務があるという強い信念も持ち合わせている。

 「ネオアコースティックとネオアコの間に横たわる大河」について、
それが形骸化してしまう前に、立会人の一人である自分が今、語らなければ。


 面かぶりクロール10mがやっとの金槌である自分が今、「大河」を泳ぎ切らなければ。


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